グルタミンって何?

プロテインにも含まれているグルタミン。どのような効果があるのでしょうか?体への効果と筋肉への効果、両面からみていきましょう。

グルタミンは、たんぱく質を構成している20種類のアミノ酸の一つです。

20種類のうち、9種類(※)は体内で合成できません。これを「必須アミノ酸」と言い、「食事やサプリメントから摂り入れる必要があります。
(※)バリン、ロイシン、イソロイシン、リジン、フェニルアラニン、スレオニン、メチオニン、ヒスチジン、トリプトファンの9種類

一方、他の11種類は、「非必須アミノ酸」(※)で食事など外部から摂り入れなくても体内で合成できます。
(※)グルタミン、アスパラギン、アルギニン、グリシン、アラニン、セリン、チロシン、システイン、プロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸の11種類

この非必須アミノ酸のひとつに「グルタミン」があります。

グルタミンは特に食事から摂り入れなくても体内で合成できるアミノ酸ですが、ストレスなどで不足することもあるため、非必須アミノ酸ではあるけれど、その中でも特に重要なアミノ酸として準必須アミノ酸とも言われます。

体内で合成できるからと言って重要性が低いわけではありません。全身のエネルギーをつかさどる重要な役割があるアミノ酸なのです。

特に運動や筋トレをしてなければ不足することはないのですが、体づくりや筋肉づくりをしている人は不足することがあり、不足することでトレーニングの効果に影響を及ぼすほど重要なアミノ酸なのです。

まずは人体とってグルタミンがなぜ重要なのかお話しします。

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なぜ、人体とってグルタミンが重要なのか?

グルタミンは筋肉内の遊離アミノ酸の60%を占めるほど大量に備蓄されています。

たんぱく質を構成する20種類あるアミノ酸のうちグルタミンだけが飛び抜けて多いのは、それほど重要な働きのあるアミノ酸である証拠です。

人が活動するために必要なエネルギー源は、炭水化物をもとにしたグリコーゲンやグルコースが最も一般的で超重要なエネルギー源です。

しかし、グルタミンを主要なエネルギー源とする組織があります。

免疫細胞と消化管の粘膜です。

免疫細胞は、病気や怪我、手術、筋トレなど身体に大きなストレスがかかる状況で活性化されます。この時、体を守るために使われる主要なエネルギー源がグルタミンです。

通常の数倍~10倍ほど使われるとされています。

不足すると免疫力が低下した状態となり、体の不調や病気になりやすい状況下に置かれることになります。

手術では身体に過度のストレスがかかるためグルタミン濃度が低下し、術後は免疫力が低い状態になります。そのため、あらかじめ点滴にグルタミンを溶かして免疫力の低下を防ぐために活用されているほどです。

また、消化管の粘膜は小腸の上皮部分の粘膜を指しているのですが、小腸は栄養を消化・吸収する器官で人にとって生命にかかわる重要な組織です。この組織の主要なエネルギー源もまたグルタミンなのです。

このように、グルタミンは人をはじめ動物の生命を守るために重要な働きをしているアミノ酸であることが分かります。

体内で作られるけど、不足すると大変なんです。だから、準必須アミノ酸とも呼ばれ重要性を認識できるようになっているのです。

では、なぜ筋トレをしている人にとってグルタミンが重要なのか?

筋肉には、上記のようにストレス下にさらされた時の防衛反応としてグルタミンが供給できるように多く貯蔵され、血中のグルタミン濃度を維持する役目を担っています。

これが、筋肉内の遊離アミノ酸の60%がグルタミンで占められている理由です。生命を守るために必要だからこそ、多くためられているんですね。

ところが、負荷が高い筋トレなど、ハードトレーニングで体に大きなストレスがかかると、防衛反応としてグルタミンが消費され、血中のグルタミン濃度が急激に低下してしまいます。

生命の維持に欠かせないグルタミンが低下しては大変なことになります。

そこで筋肉は筋たんぱく質を分解して、その時にできるBCAAやグルタミン酸(グルタミンとは別物)、アスパラギン酸、アスパラギンなどのアミノ酸からグルタミンを作って、血中へ放出します。

つまり、筋肉を作ることよりも、生命の維持に関わる免疫細胞や消化管の粘膜にエネルギーを供給することを優先し、筋肉を分解してまでグルタミンを供給しようとするのです。

つまり、筋トレは筋たんぱく質を分解する活動でもあるということです。

これでは、三歩進んで二歩下がる状態になってしまい、筋肉づくりの効果を十分に得ることができないことが理解できると思います。

筋たんぱく質の分解が合成よりも優位なってうまく効果がでないんですね。100%効果を得ることは難しいとしても、三歩進んで一歩下がるくらいの後退で留めて、右肩上がりに効果を得ていきたいものです。

これが筋トレでグルタミンが重要である大きな理由です。

このことから分かるのは、筋トレ中でもグルタミンが供給された状態を保つことが大切であるということです。

血中のグルタミン濃度が保たれていれば、筋肉を分解して供給する必要がありません。

結果的に分解は抑えられ(100%ではないにしても)、効果を十分に引き出すことに繋がるのです。

疲労回復、成長ホルモンの分泌促進なども

グルタミンは筋トレ中などグリコーゲンが枯渇しやすい状況で、グリコーゲンの合成を促す働きもあります。

つまり、グリコーゲンはエネルギーの枯渇を防ぐ役割もあり、それによって疲労の軽減、回復に役立ちます。

筋トレ中に摂取することで疲労レベルを抑えながら、力を余すことなくしっかりとトレーニングを行うことができることになります。

しかし、オーバートレーニング状態になるとグルタミンレベルが低下し、レベルが回復しない状態が続きます。そうなると筋肉や疲労の回復にも影響し、成長するために筋トレをしているのに分解が進む事態になってしまうのです。

筋トレ効果を引き出す基本原則は、トレーニング・栄養・休養です。適切な休養を取ることは筋肉の回復と同時にグルタミンレベルを回復させ、停滞状態を防ぐためも十分に意識する必要があるのです。トレーニング一辺倒ではなく生活全般のバランスを考えながら筋トレライフを送ることが大切です。

また、グルタミンの摂取により成長ホルモンの分泌が促進され、筋たんぱく質の合成を高める効果があります。これも筋トレ効果を高める上で超重要なグルタミンの作用になります。

脂肪燃焼にも効果的?

マッスル・アンド・フィットネスの2009年10月号によると脂肪燃焼にも役立つ可能性があるようです。

食事した後は、食事誘導性熱代謝といって消化吸収などにより消費エネルギーが増えるのですが、このエネルギー消費が50%近く増加すると可能性があるとされています。

しかも、消費量が増えるだけでなく、これらのエネルギーの多くが脂質と炭水化物が燃やされたものだと言うことです。

脂肪燃焼は直接的な筋肉への働きかけではありませんが、筋肉のディフィニションを高めたり、体脂肪の増加をできるだけ少なくしたいといった場合におおいに役に立ちそうですね。

どのくらいの効果があるかは分かりませんが、筋肉を落とさずに脂肪を燃やすことでダイエットや減量効果も期待できることと思います。

このようにグルタミンの補給は直接、間接を問わず、筋トレの効果、筋肉づくりに大きな影響を受けることが分かります。

グルタミンレベルを適正に保つことで、体の健康に保つと同時に、筋トレ効果を最大化していただければと思います。

グルタミンの摂取タイミング

筋トレ効果を最大限高めるには、筋たんぱく質の分解が進む前に十分なグルタミンを摂っておく必要があります。

第一のタイミングは、筋トレ直前です。筋トレ中の分解を事前に抑えます。この時点ではまだグルタミンはある程度満たされた状態ですが、減少に備えて満タンにしておきます。プロテインと一緒に摂るようにするとよいでしょう。ただし、グルタミンはプロテインにも数g含まれているので、このタイミングではプロテインを摂取すれば足りる場合もあります。

第二のタイミングは、筋トレ中です。筋トレ中はグルタミンの消費が活発になるタイミングです。蓄えられているグルタミンが減ってくる前に補給し、分解を抑えます。筋トレ中は絶対にはずせない最も大切なタイミングになります。

第三のタイミングは、筋トレ後です。筋トレ後の分解を徹底的に抑え込みます。それにより、何も取らない場合に比べて合成優位の状態が飛躍的に高まり、結果的に筋肥大の効果が増大します。プロテインと一緒に摂るとよいでしょう。

さらに少しの無駄も許さないという人は、就寝前と起床直後に摂取するのも有効とされています。

ただ、予算の問題など、すべてのタイミングで摂るものは難しい場合もあるかも知れません。

その場合は、筋トレ中だけは必ず摂るようにしましょう。

なお、グルタミンの貯蔵には限度があります。

ガソリンが満タンのときに給油しても溢れて無駄になってしまうのと同じように、グルタミンも満タンの時に摂っても無駄になってしまうだけです。

そのため、日常の一般的な活動では、満タン近く蓄えられているので、そこまでグルタミンの補給を意識する必要はありません。

ただ、筋トレをした日などは、筋肉の分解も通常以上に起こってしまうので、(必須という分けではありませんが)常に満タンにしておくべく就寝前や起床直後にも摂ることをオススメされる場合があるのです。

また、その日の活動の強弱にもよりますが、筋トレ直前はほぼ満たされている状態を考えてよいでしょう。そのため、このタイミングでは少しでも満たしておくために摂るものであり、必ずしも摂取しなければいけないタイミングではないことをお伝えしておきます。もちろん、摂っておくことに越したことはありません。

しつこいですが、最も大切なタイミングは筋トレ中です。その次が筋トレ後。このタイミングで摂れば、いままでにない効果を期待できることになります。

グルタミンは何から摂ればいいの?

グルタミンは、タンパク源となる肉、魚、卵などの食材から摂れるのですが、熱によって壊れてしまうため、食品から摂るのは難しいとされています。

刺身だと壊れませんが、赤身の100g中にグルタミンは1.2gほど。1.2g摂るのに100gの刺身を食べ続けることは現実的ではありません。

また、牛乳からも摂れるのですが、牛乳200ml(瓶1本)から0.6gのグルタミンを摂ることができます。

しかし、牛乳には脂質も多く含んでおり、グルタミンを摂るために牛乳を多く飲むと、脂肪も増やしてしまう事態になってしまうのです。(もちろん、牛乳にはいろいろな栄養素が含まれているのでグルタミンに関係なく適度に飲むのは体にとって有効です)

このように食品から摂りにくいのは体の中で作られるアミノ酸である宿命だと言えます。

そこで、余計なものを摂らず、グルタミンだけを最も効率的に摂る方法がサプリメントの活用です。

効果的なタイミングは筋トレ直前、中、直後であるとお話ししました。

このタイミングで摂ろうとすると食品から摂るのでは消化・吸収を考慮すると間に合いません。この点でも、すぐに供給できるサプリメントで摂るのが効果的であると言えます。

どのくらいの量を摂ればいいの?

通常1回あたり5~10gの範囲で摂ることをオススメされています。上級者になってトレーニング強度が相当高くなってきた場合を除いて5g程度摂っていれば問題ないでしょう。

上記でもお話ししましたが、グルタミンを貯蔵できる量には限度があります。摂り過ぎても無駄になってしまうんですね。

ただ、筋トレ効果を少しも無駄にしたくない場合は、溢れる部分が有ったとしてもあえて少し多めに摂って満タンの状態にしておくことも有効です。その場合、6~10gの範囲で調整してみましょう。

また、筋肉内に遊離アミノ酸として60%含まれるグルタミンなので、筋量の増加とともにその量も増えていきます。

したがって、上級者など筋量が多い人は、1回あたり10gが最低ラインになる場合もあります。

通常は5g、筋量の増加に合わせて10g~20g程度まで増やしていく。このような感覚で取り入れるとよいでしょう。

ちなみに、1日に20g~40g程度摂取しても健康被害は出ていないとの研究報告があります。常識の範囲内で摂る分には副作用など体へのマイナス影響を心配する必要はないでしょう。

グルタミンのおすすめサプリ

グルタミンサプリには海外のものを含めていろいろありますが、日本製で最もおすすめなのが「バルクスポーツ グルタミン」です。

バルクスポーツ グルタミン

スプーン1杯で5gを急速供給でき、1杯あたりおよそ34円とリーズナブル。筋トレ直前・中・直後に摂っても100円ちょっとで済みます。

これで、筋肉の分解を極力抑えて筋トレ効果を高めることができるとなれば活用しない手はありません。

効率的に、効果的に筋トレを進めたい人はぜひとも活用して下さい。筋肥大が停滞していた人も無駄になっていた分解を抑えることで、プラトーを脱出できるはずです。

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